1.藤本保廣 秘蔵ナイフ

藤本保廣ナイフと銀座菊秀

銀座菊秀は大正初期にそれまでいた横浜から銀座に進出しました。それまで刃物は雑貨の一部として取り扱われていたのですが、初めて刃物専門店として店を構え、お客様が見やすいよう刃物を棚に陳列して販売しました。それまではお客様が商品名を言うと倉庫から出してくるような商売でした。
日本のポケットナイフは明治期から関でも生産が始まりましたが、ほとんど輸出用でした。国内向けに手造りの高級ナイフを生産したのは、東京のナイフ職人でした。菊秀は戦前には全国に十数店舗を擁する一大チェーン店になっていたため、松戸に工場を持ち(ナイフマガジン1999年12月号参照)、東京の刃物職人をかかえて最高の刃物を生産しました。
fuji_1 洋庖丁、裁鋏、洋鋏、作業工具そしてポケットナイフでした。山田卯三郎、大塚銀次郎、加藤昇司といった有名な職人がいました。なかでも卯三郎は数十丁出の多徳ナイフから米粒に近い極小折畳みナイフまで製作し、そのセンスの良さで戦前戦後を通じて人気がありました。マークはすべて「KIKUHIDE」ブランドでしたので、作者が特定できないのですが、卯三郎のナイフだけは品があり、作りが緻密なため見分けがつくのです。
fuji_2 藤本保廣も戦前からポケットナイフを生産する工場をもち、特に戦後の一時期は外人用のおみやげとして、日本の風景を象嵌したハンドルのナイフや銀板に和彫りの模様を入れたポケットナイフが人気を博し、従業員が数十人という時期がありました。
しかし、昭和35年に岸信介、浅沼稲次郎などの政治家に対する刺殺死傷事件が続発したため、ブームは去りナイフ職人は廃業転業に追い込まれていきました。
藤本氏との出会いは1978年でした。その数年前から当社が国内でいちはやくアメリカのカスタムナイフを扱うようになり、それまで高級ポケットナイフを量産されていた藤本氏もカスタムナイフを製作して見たいと店に来られました。
扱っていたアメリカのカスタムフォールディングナイフを見てナイフのイメージが変わったようでした。それからはカスタムナイフに没頭し、私は週に2、3回藤本氏の自宅にホーン、セントファンテ、フィールなどのナイフを持参して、ロックの機構やデザイン、仕上げ方法などを説明し共に研究しました。
1980年開催された初めてのJKGナイフショーに出展しましたが、藤本氏はそれまでロック付のナイフを製作していませんでしたので作品はごつい2刀ナイフやサイドロックナイフでした。その後も藤本氏にデザインを渡し、スティレット、エンドロック、マジックロックなどを夜遅くまで議論しながらアイデアを固めて行きました。その中で大ヒットしたのがフォールディングスティレットでした。片刃ですがラインは左右対称の美しいフォルムのナイフです。このもとになったのが、アメリカのナイフショーで入手したH.J.Vieleのフォールディングスティレットでした。写真でご覧になれるようにたたむとブレードがハンドルの中にほとんど隠れてしまいます。そのためネールマークも無く、ブレードが出しにくかったので少しデザインを変えました。ブレードを出した時にハンドルと一直線にするのが難しいとよくこぼしていました。

しかしこのモデルは藤本ナイフの代表作となり、納期が6カ月を超えるほどの人気になりました。大中小の3サイズを製作しました。 また、山田卯三郎の透明プラスチックハンドルの角型ナイフをもとに同様のモデルを製作してもらいました。
藤本氏はナイフを作るのが速く、1983年にR.レイクが来日した時は、彼のナイフを一日だけ貸してくれと言って、翌日にはレイク型のエンドロックを作ってレイクがびっくりしたという逸話があります。
藤本ナイフの魅力はその独創的なアイデアです。多徳ナイフはもちろん、ロック機構やまともには刃が出ないマジックロックなどあとからあとからアイデアが浮かび、それをすぐに試作します。私の判断でボツになったモデルがいくつあるか判りません。

藤本氏と私は1982年と1984年の2回アメリカのナイフショーに出展し、展示したナイフすべてが売り切れ、特に多徳ナイフの技術には驚嘆の声がきかれました。
カスタムナイフ製作の初期には「GINZA KIKUHIDE」のネームをよくブレードに彫刻してもらいました。
量産モデルとカスタムモデルを区別されていない方が多いのですが、刻印のFマークは初期のわずかな例外を除いて量産ナイフです。カスタムナイフは機械彫刻で「Y.FUJIMOTO」と記されています。しかし初期ににはそのほかにもいろいろなロゴマーク、刻印、そして機械彫刻で作者名を表示しています。
シリアルナンバーも適当で、新しいモデルが出ると「1」から始まるのですが、ハンドル材が変ると数字も「1」からになります。また異なるモデルでも同じ記号になる場合もあります。
「PA001」は白蝶貝ハンドル・ATS34の1番目ですが、モデルが異なると同じものがいくつもあります。Bはブライヤー、Tは炭素繊維、Dはスタッグ。AはATS34です。 
銀座菊秀が藤本保廣、加藤清志、相田義人、石塚正貴4人のカスタムナイフカタログを製作したのが1985年。
藤本氏が「藤本保廣カスタムナイフカタログ」を発表したのは1986年です。
藤本氏は1987年5月に60歳で他界しました。缶ピースをいつでも手放さないおやじでした。カスタムナイフを製作したのはわずか9年間でした。
藤本保廣 1927.2.21 - 1987.5.21 享年60歳

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1982年カンサスシティナイフショー

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1984年12月 ニューヨークナイフショー

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「ナイフの本」双葉社刊
監修 井上武、相田義人 1983年

藤本ナイフカタログ
藤本保廣カスタムナイフカタログ1986

藤本ナイフ製作所 銀張和彫 タイタックナイフ G33

価格:17820円
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藤本保廣 カーボンファイバー柄ナイフ G09 売却済

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藤本保廣 中8丁出セルべっ甲パーツ分解額装 FJ50 販売済

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藤本保廣 ホーンタイプロックフォルダー 60mm FJ18 販売済

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藤本保廣作 フォールディングスティレット M FJ01 売却済

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藤本保廣 ミニ8丁出多徳ナイフ FJ07 販売済

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藤本保廣作 フォールディングスティレット ロック付 FJ02

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藤本保廣 S型2刀スリップジョイントナイフ FJ03

価格:87480円
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藤本保廣 最初のカスタムナイフ 2刀 G01 

価格:0円
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